2014年 03月 31日
今月のひとこと 2014年3月 |
「風景画」から「都市画」へ
具象画の歴史の中で、一番大衆に愛され、また商品価値が高かったものといえば、なんといっても自然を描いた「風景画」です。
ゆたかな緑の田園や、青空の下でキラメク水辺を美しく、そしてこれでもか、というくらいリアルに描く「風景画」は、350年ほど前にオランダの絵描きによって本格的に描かれるようになったようです。
これが19世紀初め頃イギリスに現れたターナーやコンスタブルによって、写実的風景としてほぼ完成されていきました。
19世紀末になり、写真や映像の登場によってリアリズム描写が奪われることを予知したかのような絵描きたちが、意外な逆転技に出たのです。
セザンヌやモネは、アトリエを出て太陽の下で「油絵の現場描き」を始めました。これによって、今までにない明るさと即興性のある風景画が生み出されたのはご存知の通り。
そして100年。いま風景画はどうなったのでしょうか? ハッキリ言って風景画の商品価値はガタ落ちです。大衆は、美しい大自然の風景は、ワイド映像で充分楽しんでいますし、好きな風景画は美術館や画集でいつでも見られるからです。
そして、絵を描く側にとっての重大な理由があります。世界的な都市化の進行によって、身のまわりに自然の風景がなくなってしまったということです。
絵を描こうと一歩外に出れば、そこは街です。緑があるのは公園か街路樹ぐらい。あとはビル、広告そして人の群れとクルマ、電車の行き交う都会です。
はたして、これからの私たちの野外写生の主要な題材は「風景画」ではなく「都市画」ということになるのでしょうか?
よくよく考えてみたいと思います。
<今月の絵>

「原宿駅前」(部分)(FLYING TIGERで買ったA5スケッチブック<300円>、筆サイン極細を使用)
1.私なりに2014年を「都市画元年」と設定しました。
今月は「都心」との戦いのための、トレーニングとして「原宿現場スケッチ」を行った結果をご報告します。
<今月の絵>の続きはこちら
具象画の歴史の中で、一番大衆に愛され、また商品価値が高かったものといえば、なんといっても自然を描いた「風景画」です。
ゆたかな緑の田園や、青空の下でキラメク水辺を美しく、そしてこれでもか、というくらいリアルに描く「風景画」は、350年ほど前にオランダの絵描きによって本格的に描かれるようになったようです。
これが19世紀初め頃イギリスに現れたターナーやコンスタブルによって、写実的風景としてほぼ完成されていきました。
19世紀末になり、写真や映像の登場によってリアリズム描写が奪われることを予知したかのような絵描きたちが、意外な逆転技に出たのです。
セザンヌやモネは、アトリエを出て太陽の下で「油絵の現場描き」を始めました。これによって、今までにない明るさと即興性のある風景画が生み出されたのはご存知の通り。
そして100年。いま風景画はどうなったのでしょうか? ハッキリ言って風景画の商品価値はガタ落ちです。大衆は、美しい大自然の風景は、ワイド映像で充分楽しんでいますし、好きな風景画は美術館や画集でいつでも見られるからです。
そして、絵を描く側にとっての重大な理由があります。世界的な都市化の進行によって、身のまわりに自然の風景がなくなってしまったということです。
絵を描こうと一歩外に出れば、そこは街です。緑があるのは公園か街路樹ぐらい。あとはビル、広告そして人の群れとクルマ、電車の行き交う都会です。
はたして、これからの私たちの野外写生の主要な題材は「風景画」ではなく「都市画」ということになるのでしょうか?
よくよく考えてみたいと思います。
<今月の絵>

1.私なりに2014年を「都市画元年」と設定しました。
今月は「都心」との戦いのための、トレーニングとして「原宿現場スケッチ」を行った結果をご報告します。
<今月の絵>の続きはこちら
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by makoart-mgr
| 2014-03-31 23:00
| 今月のひとこと